乳癌―普及する乳房温存術、QOLも大きく向上

日経メディカル オンライン

乳癌―普及する乳房温存術、QOLも大きく向上
固形癌の中では最も治療の個別化が進んでいるといわれる乳癌。早期(ステージ1〜3A)では、手術が治療の第1選択だが、広範な切除は乳房の喪失感に直結する。最近では、手術に薬物治療、放射線治療を組み合わせることで、治療成績の向上ばかりでなく、いかに女性としての美容面やQOLを保つか、といった観点からも進歩してきた。
術式の進歩としてもう一つ大きな変化は、手術とセットになっていたリンパ節郭清が省略できるケースが増えていること。原発巣からリンパ流に乗った癌細胞が最初に到達する乳腺の領域リンパ節(センチネルリンパ節)を術前や術中に生検して転移の有無を確認する。そこに癌細胞がなければ、その先にもリンパ節転移はないと判断できることが分かってきたのだ。
乳癌治療の低侵襲化の流れは止まらない。乳癌は、薬物療法においても癌の特性に合った治療法が選択できるようになってきており、癌治療全体の「お手本」として先駆的な治療体系を構築中だ。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/200712/505024.html