遺伝子組み換え作物、事実上の勝利 (BusinessWeek)

NBonline(日経ビジネス オンライン)より

遺伝子組み換え作物、事実上の勝利 (BusinessWeek)
遺伝子組み換え作物への反対の声はいまだに根強いが、栽培農家の数は世界中で増えている。これは不思議でも何でもない。モンサントの種子には、害虫抵抗性と除草剤耐性の遺伝子が組み込まれている。そのため従来の種子よりはるかに育てやすく、費用も少なくて済むのだ。

論争が収まるにつれ、遺伝子組み換え作物に対する需要が一気に増えた。経済成長で豊かになった中国やインドでは、数十億人もの消費者が豊かな欧米の中流階級と同様に1日数回肉を食べるようになった。その結果、家畜用飼料の需要が急増したのである。

モンサントの種子は従来のものより1袋あたり数ドル高いが、ずっと簡単に栽培できるためどんどん売れている。
例えば最新のトウモロコシの種子は3種類の遺伝特性がある。(1)茎の中を食べるアワノメイガの幼虫に対する殺虫作用、(2)根を食べる根切り虫に対する殺虫作用、(3)除草剤「ラウンドアップ」に対する耐性――である。この種子は普通のものより平均で1エーカーあたり36ドル近く高い。だが殺虫剤や除草剤を減らせるため、その2倍節約できるとモンサントは言う。

有機栽培の動きについては、「農作物の主要な栽培方法になることはない」と、モンサントの戦略担当、カサーリ氏は言う。「率直に言って不可能だ。有機栽培で米国、ひいては地球の人口を養うために必要な土地は、都市部を全部つぶして農地に変えても到底足りない」。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071214/143127/?P=6

遺伝子組み換え作物GMO)と飢餓
環境保護団体のフレンズ・オブ・ジ・アース・インターナショナル(FOEI)は今年1月、『遺伝子組み換え作物で得をするのは誰か』と題したリポートを発表した。FOEIは遺伝子組み換え作物に対する批判の中でバイオ技術業界の“嘘”を指摘し、「遺伝子組み換え作物は飢餓を解消する上で何の役にも立っていない」と訴える。

立証責任
米調査会社ソレイユ・ガリー・アンド・アソシエーツのアナリスト、マーク・ガリー氏は9月24日付の研究ノートで、「遺伝子組み換え作物が登場して12年たった今、立証責任は批判派の方に移りつつある」と書いている。モンサント(MON)株に対する投資判断は“買い”だ。遺伝子組み換え作物は再生可能燃料の生産に役立つと主張する。「米国のトウモロコシ畑が巨大な太陽光エネルギー収集装置になると考えてみてほしい」。