不動産と保険は買うな!?『家計崩壊』深野康彦著(評:柴田雄大)

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不動産と保険は買うな!?『家計崩壊』深野康彦著(評:柴田雄大
新書の評者をしていて、タイトルと内容が乖離しているな、と感じることがたまにある。
本書も「家計崩壊」というちょっと衝撃的なタイトルが目を引く。朝日新聞などのルポで時々取り上げられるような、普通の家庭の家計はいかにして破綻していくのかを検証したものかと思ったら、まったく違った。
本書の中身をひとことで言えば、普通の家庭におけるこれからの投資の指南書で、それがなかなかツボを押さえているのだ。
本書である意味出色なのは、買ってはいけない投資対象として、不動産と保険を挙げている点だ。
特に不動産は、30代、40代のサラリーマンは買うべきではないと断言している。その理由は、「もはや時期を逸したから」。
保険も保障と資産運用はわけて考えるべきで、投資対象として変額保険などは不利であることを指摘している。
17年続いた低金利時代というのは、ある意味、気楽な時代だった。どんな運用手段をとろうと、それほど大きな差は出なかったから。しかし、ここから先は違う。17年ぶりに遭遇する金利上昇の世界は、知恵や情報の差がそのまま運用成果の差となって現れる。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20071212/143037/