アメリカの衰退と日中関係

tanakanews.comより

アメリカの衰退と日中関係
私が見るところ、日本人は一部の最大手製造業などをのぞき、政府も民間も、アメリカ経済が終わりかけていることに対し、全く気がついていないし、何の準備もしていない。逆に、日本国内には「今後もアメリカの単独覇権が続き、勃興しようとする中国や、いうことを聞かない北朝鮮などに、政権転覆の荒業を食らわし、成敗してくれるに違いない」といった期待感が強い。
アメリカが今後も長期にわたって世界的な覇権力を維持できるのなら、日米同盟だけに賭ける小泉政権の戦略はうまくいくかもしれないし、韓国や中国と敵対するという選択肢もあるかもしれない。だが、すでに述べたように、アメリカの覇権は崩壊に向かっていることが日に日に明らかになっている。そして、どうやら日本政府の上の方は、アメリカの覇権が終わりそうなことに対し、見て見ぬふりをしている。日本政府内では対米従属派が強く、彼らは自分たちの政府内での地位を危うくする分析をしたがらない。
これはちょうど、第二次大戦中に「日本は負けそうだ」という分析をする人が排斥されたのと似ている。60年前、アメリカの力をわざと過小評価して惨敗した日本は今、こんどはアメリカの力をわざと過大評価するという失敗を繰り返しそうになっているように見える。
http://tanakanews.com/f0420dollar.htm